さそり庵



トパーズの光は月より還る

ツイッターでは語り切れないのでこっちに書く、放課後のプレアデス4話の感想。
中身は結局、あっちで書いたことと似たり寄ったり。



4話は意外なお話だった。
例えば……こう、人骨でも沈んでいそうな沼だと思って覗き込んだら、底まで見下ろせる綺麗な湖だったというような、そんな感じ。
問題まみれの家庭環境に育ったひかるは家に帰れば独りぼっちで、彼女にとっては魔法使いでいる時間だけが屈託なく笑える宝物……といったふうの、悲しくもどろどろした告白が為されるものと、あたしゃ覚悟していたのだ。
無理もない、と自分では思う。3話で「私はひとりだよ……」「こんなに気持ちいいの初めてだ!」「でも、寂しい所に変わりはないよ」などと不穏コンボでガン攻めされて、すっかり身構えてしまっていた。しかも序盤の「物語を最後まで読まない」「結末がわかっているものを読む必要はない」発言まで重ねられては、よくある不幸な天才少女だと思うではないか。くそうやられた。まんまとやられた。

いやいや、嵌められてなどいない。勝手に疑って勝手に落ちた、それだけのことだ。そういうありがちな型に当てはめて考えてしまうのは、私がまだまだこのお話の『質』を理解できていないという証拠だろう。
まあ当たり前か。4話だし。

で、実際に湖を覗いてみれば。
なんのことはない、怖がりで、自信が無くて、ご両親にさえ寄り添えない、いじましい女の子のお話だった。
自分から近づこうとしないなら、そりゃ世界は寂しいし、ひとりぼっちだ。『オデッセイ(原作・火星の人)』のマーク=ワトニーは火星に一人取り残されながら、地球に還りたいと願い手を伸ばすという一点で心は地球と繋がっていて、独りではなかった。でも、手を伸ばさなければ、例え家族とひとつ屋根の下に暮らしていても人は独りになる。当たり前のこと。でも、彼女たちはまだ知らないこと。
自ら作り出す孤独感というのは強烈で、それこそ月にでもいるような気持ちになる。世界に自分しかいないから、自分の知らないものなど何も無いと思ってしまう。物語のラストを予想することと、それを知っていることさえイコールで結んでしまうくらいに。
マーク=ワトニーがラストでアベンジャーズに入るだなんて、絶対に想像できないだろうにね?

ひかるたちは月に行った。でも、ひかる自身は月から還ってきたのだと思う。光の速さで。
気づきがあって、その手を伸ばせば、三十八万四千キロなど「ソ」の音を鳴らす間にひとまたぎだ。
『可能性』がひとつの『気づき』になった。そのために流される涙は、湖のように澄んで、美しい。
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by sasop | 2016-06-05 07:19 | 放課後のプレアデス
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