さそり庵



輝きのこちら側から 二度見編

※劇場版アイマス二度目の感想
※ネタバレ全開。未見の人は読まない方がいいぞぅ



今回も結論から先に言います。
評価上がった。上がった。
と言って、とんでもない発見が有ったわけでも、印象そのものががらっと変わったわけでもありません。それでも、初回よりずっと楽しめました。特に前回『薄味』『終始穏やか』と評したことについては、まるっと撤回しなければいけません。あのときそう感じたのは、不満点――自分が求めるアイマス像との違いから、苦(にが)みに注意が行っていたため。その辺りを了解した上で観ると、ラムネはそれはそれは美味しかったのです。

で、先にその不満点ですが――嫌なことは先に片付けましょう――これ自体には変化なし。不満なものはやっぱり不満で、アイドル一人一人がもっと独自に動く『はず』という想いは残りました。ただ、前回も指摘したように、皆が本来持った個性のままに動いてしまうと尺が10倍になるか、あるいは何の問題も起こることなく終わってしまうかのどちらかなので、これは仕方がない。
また、メタ的でない解釈をすると、彼女たちはアニマスの一年間を通してアイドルとしては華開いても、人間的にはそれほど変化していなかったのではないかということが考えられます。明らかに変わったのは雪歩、伊織、千早の三人だけで(この子たちが今回の映画で重要な役割を担ったのは偶然ではないでしょう)、あとは真が一応のハラを決めたことくらい。春香に至っては変わらないことの素晴らしさを強調さえされています。
ただ、皆が変わらない一方で、「みんなどんどん進んでいく」「変わっていく」と劇中では語られています。これもまた、今後のアイドルマスターのテーマのひとつなのかもしれません。無印のように変化の末に完成する物語ではなく、蝶になることを恐れない繭の想いを、繭の姿のまま描き続ける。それはまるで時が止まった箱庭のようで、私の求めるアイマスの姿とは違いますが、それでも充分に『了解』できるだけの魅力が――少なくとも今回の映画には――あるのではないでしょうか。

さて、話は戻って不満点。
前回特に強調したあずささんですが、やっぱり『違う』んですよね、私の考えるあずささん像と。初回視聴時は具体的にどう違うかと考えていたためにお話に集中できず、物語の魅力を充分に味わえなかったのですが、今回はそのあたりがはっきり言語化できました。その結果、お話を心から楽しむこともできたというわけなのですが――それは先に述べたとおり。
で、あずささん。
塞ぎこむダンサーズに水を配ったり、険悪な空気に割り込んだりしていますが、そのやり方は『私が考える三浦あずさ的』ではなかったのです。あの人は場の空気を『変える』人であって、打ち消して先送りにする人ではないんですよ。そのときそのときでちゃんと問題点を指摘して、当事者の気持ちを解決の方へ導こうとする。あずささんはそれが出来る人のはずなんですね。
その役割を春香たちに委ねて見守っているのかとも思いましたが、律子が仕事組を呼びに来たときに声が無理をしていた点、伊織が春香と志保を一喝したときに後ろで成す術も無い顔をしていた点を見ると、そのセンは薄いと考えざるを得ない。
最年長者、事務所のエースたる竜宮小町の精神的支柱というそのポジションを考えると、アニマス765が辿った一年で最も苦労した一人なのですから、全部わかってて悠然としているラスボス的な風格が有っても罰は当たらなかったと私などは思います。

で。
以上の不満点二点――『みんなは特に出しゃばらない』『あずささんが何か違う』これらを了解して観たところ、まあこれが響くこと響くこと。
春香さんはアイマスの象徴、という印象そのものは変わりませんが、それでも味付けが薄いとは全く感じなくなりました。矢吹さんを迎えに行く前、志保さんに「みんなの成功より一人の気持ちか」と詰め寄られてはっきり頷くあの強さ。突き抜けたと思いましたねえ。私の中のイメージうんぬんはこの場合問題になりません。彼女は『今の天海春香』として、確かな個性を持って堂々とそこにいたのです。ああ、それならもう、私は肯定して送り出すしかないじゃないか。心地良くそう思えました。前回はほろ苦い実感でしたが、今回のそれはとても爽やかで、清々しい見送りになりました。
それから、今回のもう一人の主人公である矢吹さんについて。
正直、前回印象に残らなかったのが不思議なくらい好きになりました。
あのね、わかるんですよ彼女の気持ち。頑張りたいという気持ちが有って、応援してくれる人もいて、でも動けない。動かない。動けば動くほど出来ない自分を実感して、苦しくなってしまうから。だから動かないでいると、今度は頑張らない自分の姿が見えてきて、その醜さに苛まれる。雨の中訴えた彼女の本心は、「太ったから一緒に行けない」ではなく、「太るくらい弱くて醜い自分は一緒にいてはいけない」だったのではないでしょうか。自己嫌悪。春香ちゃんみたいにきらきらしてない。できない。そして恐らく、一緒にいられない理由を得たことでほっとしている自分がいて、それでますます自分が許せなくなって――
弱っちい、愚かで醜い等身大の『人間』なんです。だからこそ応援したくなる。この気持ちは、恐らく私が初めて真や千早に会ったときと同じ色をしているんだと思います。

と。
以上、思いつくままただつらつらと二回目の感想を綴ってまいりました。やっぱり、肯定するのは楽しいですね。自分の中の悪いイメージが良いイメージに上書きされるこの喜び。
時間を見つけてもう一回観ます。今度は本当に純粋な気持ちで2時間楽しめると思うのです。

あ、そうそう。
「離れていても765プロはいつもひとつ」「当たり前だろ」というあのくだり、今の私もプロデューサーなんだよと言ってもらえたような気がしてとても嬉しかったです。自意識過剰かもしれませんが、思うだけならいーよね。
[PR]
by sasop | 2014-01-31 21:32 | ときどき雑記
<< いおまこに50の質問 さそ風味 輝きのこちら側から >>


からっぽなう
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
巡回先
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧