さそり庵



振り返ってアニマス 全4部―②

1.華やかな私服に見るアニマス世界の“余白”
2.武闘派に非ず――第8話と第17話に見る専守防衛の拳
3.真王子――友の存在とアニメ独自の精神的成長
4.雑記





武闘派に非ず――第8話と第17話に見る専守防衛の拳

前回は書きたいテーマがごちゃごちゃして、アニマスの感想なのか菊地真ジャージ論なのかよくわからなくなってしまいました。まあ、書いちゃったものは仕方がない。次の話題に参ります。

本文冒頭、真は『2』で全くの別人になってしまったと述べました。具体的にどこがどう違うといって、共通項を見出す方が難しいほどのかけ離れ方だったのですが、とりわけ大きかったのが、やたらすぐ人を殴ろうとする点でした。その詳細について述べることは本稿の趣旨から外れるし精神衛生上良くないため割愛しますが、敢えて乱暴にまとめると「自分の仲間を馬鹿にされたら誰であろうと殴るべし」という考え方を持っていたのです。

真が空手黒帯の実力者で、かつ格闘技世界チャンピオンをパンチ一発でKOした実績を持つのは広く知られているとおりですが、そうした輝かしい(?)経歴とは裏腹に、本人は臆病ともいえるほどの平和主義者です。『1』のコミュを一周でもすればご理解いただけるところで、そこがまた彼女の魅力のひとつでもありました。

さてアニマスではどうか。Pや木星の野郎ども(まさかあいつらあんなに出しゃばるとは思わなかった)をばったばったと殴り倒していきやしないかと固唾を呑んで見守っていましたが、そうした描写はついに有りませんでした。また、拳を振るうのにとても慎重になっていることがわかるシーンも幾らか確認され、心から安堵したものです。
こちらは具体的に見ましょう。
まずは第8話。『迷走Mind』をバックに大グレン団のバリンボー(によく似た人)と空中戦を繰り広げるシーンがあまりに有名ですが、重要なのはその直前。
初めて彼女が黒服の前に姿を見せるとき、頭上、そして背後という絶好のポジションを取っていたにも関わらず、彼女は先制攻撃をしません。叫びも高らかに路上に飛び下り、「お前たちにあずささんは渡さないッ!」と一喝するなり、くるりと背を向けてその場を走り去っています。彼女の信念が許すなら、そのまま一人二人張り倒しても良さそうなものなのに。できることなら戦わずに済ませたいという真の心情の顕れでしょう。
まあ、そちらはこの解釈の他にも「一対多数の不利を避けた」とか「実力が読めない男を相手に不用意に挑むことを嫌った」とか、いろいろな見方が可能です。後で結局バトルしていますし、アニまこ平和主義説の根拠としてはいささか弱いかもしれない。ただ、あそこで自分から殴らない真を見て、私が心底からほっとしただけで。
もうひとつ取り上げたいのは第17話。黒井社長にゴキブリだの何だのとさんざ馬鹿にされ、真は鬱憤を晴らそうというのか、ゲーセンでガンシューティングに挑戦しました。
リロードも知らない初心者で、そもそもゲーム自体ほとんどやらない(父親にやらせてもらえなかった)彼女。何故そんなものに当たろうとしたのか理解に苦しむところですが、個人的に、彼女が白羽の矢を立てたのがパンチングゲームでなく、ゾンビ相手のガンシューだったことがひどく嬉しかったのを覚えています。やはり真にとって、殴る蹴るという行為はストレス発散のためのものではないということが、暗に語られていたように思えたのでした。
では彼女が拳を握るのはいかなるときか。それは、第17話の後のパートに描かれていた通り。『1』では、本人の弁を聞く限り、ああいう場面に出くわしてももう少し防御に徹するようですが、アニメの彼女は『1』の真より義憤を抑えられないタチのようでした。
それもまた佳し、です。
なお、この第17話の「ん!」をはじめとした真の圧倒的可愛さ、制作スタッフ(多分主にゴリさん)の深甚な理解については、既に多くの先賢が語るところとなっているため、ここで敢えて拙墨を弄する愚を犯しません。
チアリングレター? ええ、泣きながら聴いていました。アイドルマスターの曲で一番好きだと断言するナンバーがあのとき決まりました。

第3項に続く。
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by sasop | 2012-11-12 22:29 | ときどき雑記
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