さそり庵



【アイマス2】真のストーリーを偽造してみた あとがき

というわけで『真のストーリーを偽造してみた』1~9、無事投稿を完了致しました。
動画そのものはpart1投稿の時点で完成していたので、完走しました、というのには今さら感のつきまとう心境です。
皆様におかれましては、ここまでの御視聴、まことにありがとうございました。

こちらのエントリは、あとがきとなります。
本当は、うちの北斗でもゲストに呼んでこの項も動画にしようと思ったのですが、まあ、こういう形でも良いのではないかと。




●制作の動機について
この辺をどう説明すれば最もズレ無く意図が伝わるか、延々考えつつ今なお答えを見ないところです。
もちろん、極めて大雑把に言ってしまえば、『2』の真のシナリオが納得いかなかったから――ということになり、大略、それで間違ってはいません。
ですが、より正確を期すなら、

『2』に真が存在していなかったから

――なる表現が、最も相応しいでしょう。無論、主観でしかありません。

真がいない。つまり、アイドルマスター2の世界で菊地真を名乗っている少女は、私の知っている菊地真とは全く別の人間であると結論付けざるを得なかったということです。
同一人物だと思おうと、努力はしました(前作『真、崩壊』とか)。が、結果として、それは不可能でした。パラレルワールドにおける人間性の異なりとか、半年の時間経過による変化とか、そういった『同一性を含む別の存在』には該当しない、どこまでも別個にして無縁の人格。そうとしか認識できません。
例えば、千早と真は別人で、北斗と黒井社長も別人。それと同様、あの二人の『菊地真』もまた、私の目から見れば赤の他人です。

――なお、具体的にどこがどう違うか、いやさ、どの辺が気に入らないかについて、ここで改めて語ることはしません。全てはあくまで主観に過ぎず、かつまた、そうした言葉での議論に虚しさを感じたこともまた、今回の制作に踏み切った理由のひとつでもありますので。
たとえ水も漏らさぬ理論で『1』の真と『2』で真とされているアイドルの完全な同一性が証明されたとしても、私はそれを認めたくありません。あの娘が真なんて、『嫌』なのです。

閑話休題――
765プロはリスタートし、きらめく舞台はさらなる高みへ昇ったそうですが、そこに真の姿はありませんでした。彼女は、スタートラインにも、ステージの端にも立たせてもらえませんでした。
公式・二次創作含めて日々広大無辺なる展開を続けるアイドルマスターの世界において、最大最高の桧舞台であるナンバリングタイトル。そこで待っていた、そのあまりの現実。今回の物語がいわゆるノベマスではなく『ゲームのイベントシーンの連なり』という形を取ったのは、せめてこちらで真に『2』の舞台を用意したい、『2』の世界に生きる真が見たいという私の願望の結果でした。
製作のある段階においては、これを通して公式を批判・攻撃する意図も強く持っていましたが、今となってはその感情は薄いもの。2ヶ月と少しの制作を終え、ウドとトタンで偽造したステージを眺めて、今はただ悲しいだけです。
『2』で、真に会いたかったなあ。

蛇足ながら。
公正を期すべくダブルスタンダードをバラしてしまえば、S4Uのステージやクインテットのゲストとして登場する彼女のことは、『真』として認識するようにしています。
ストーリープロデュースがノーカウントなのであって、真もまた『2』の世界に生きているのだ、と思いたい気持ちは私の中に消し難く存在します。今回の制作でそれを確固たるもにすることが可能だったかと言えば、それは明確に否であり、そのことは始める前からわかっていたのだけれど。
卑怯で半端だとは、自覚しています。

●今回の作劇について
さて、ここからは空気をがらっと変えて、あっけらかんと今回の作劇に関するよもやま話をさせて頂きます。
前述のような背景があるといっても、いざ物語に向き合う際の精神は割合純粋なものです。

今回の物語は、正確には『ノベマス』ではなく『ゲーム内イベントシーンの連なり』ということは先にも触れましたが、そのために、作劇において幾つかの縛りを設けました。大きくは三つあり、

①ストーリー進行は常にPの一人称
②40週After以降で北斗が登場する
③最終的に、真はPに惚れる

どれもこれも一見当たり前のようですが、いざこれらを背負って作劇してみると、その荷厄介ぶりに戦慄を禁じ得ませんでした。①はまあ良いとして、まず②から詳しく見てゆきましょう。

後半に北斗が登場する――これは『2』原作準拠であり、もし真編でこいつが出しゃばらなければ、北斗はジュピターで一人だけ、一切掘り下げられないことになってしまいます。ヤツが『2』の世界に存在していて、他アイドルのシナリオに登場しない以上、真の側で面倒みるよりほか無いのです。
ですが、ですが私に言わせれば、伊集院北斗は絶対に真にぶつけてはならない男でした
例えば『弟系アイドル』(どこが?)を標榜する翔太を千早シナリオに絡ませると大変なことになりますが、それと同等、とまではいかないまでも、同質の極めて危険な取り合わせであることは間違いありません。
その理由は――本編を観ればおわかりの通り。
他のアイドルたちならば、真意を理解せず無邪気に仲良くなるなり、鳥肌たててヘビ香とワニ子をけしかけるなり、北斗が懸命におっ立てようとするフラグをコミカルにへし折っていけるのですが、真は、真だけは駄目です。真にとって、無条件で女の子扱いしてくれ、なおかつそれなりの『愛』を寄せてくれる北斗は非常に都合のいい存在で、出会った直後にPがどこかに行ってしまうとなると、あの面食いがうっかり靡かないわけがないのですから。

で、後半の展開がそのように固定されていることから逆算して、前半のシナリオを構成しました。「女の子扱いしてくれるポッと出の王子様に靡く」という展開を強調するなら、別に原作ゲームでやってた可愛さ特訓でも良かったのですが、ンなもん私が描いてて楽しくないし、第一、『裏切り』の重みが消滅するので、このような形に。

③もまた、いざ自分でそれに取り組んでみると、思いのほかの強敵でした。
そもそも物語とは登場人物の響き合いであり、個々の響きは一人一人の人間性の掘り下げから生じるものだというのに、この『P』という野郎は掘り下げが一切出来ないときている。漠然と『プレイヤーの分身』でしかなく、そのくせ私生活がだらしなかったり、絶望的なまでに鈍感だったり、ときどき選択肢も出さずに最低の発言をかましたりと個性だけは無責任にちりばめられていて、しかも描き手は最終的にアイドルの心をこいつに独占させなくてはならないという鬼畜仕様。アイドルマスターというゲームがああいう形式を取る限り、この男の存在は必須ではあるものの、物語を創る側から言えば邪魔の一言に尽きます。うん。
そういう意味で、伊集院北斗という男は、理不尽極まる『P』という存在に立ち向かった男とも言えるわけで、内心、喝采を送らざるを得ない。どうにも締まらないBGMでその裏事情をひた隠しに隠していたことを、ここに告白いたします。正直、作ってて一番テンション上がったの、北斗に台詞言わせてるときだったしなあ。昔から、可愛い女の子より男前を描いてる方が好きな物描きではあるし、私。なんでアイマスPやってるんだろう。
だからと言って、最終的に真と北斗がくっつくようなお話を私が描くかと言えば、それは全く話が別。ここ重要。

●さそPの今後について
取り敢えず、『TGS前に竜宮小町について話すようです』に始まる、約九カ月に及んだ『2』を巡る“戦い”は、これでお終いにしようと思っています。
ジュピター、竜宮小町、そして真と、個人的に抱えた全ての問題とぶつかって、一応の答えを出しました。この先、アイドルマスターという世界とどのようなスタンスで向き合っていくかはまだ判然としませんが、P活動そのものは、多分継続するでしょう。差し当たって『iM@Sの神兵最終章』『木星三羽ガラスの長編』『徒花』と、形にしたいものは残っていますしね。
とは言え、さすがに疲れ過ぎました。しばらく――私のことだから、どうせ二週間とか、長くてもひと月とかそこら――自分がニコマスPであることを忘れて、モチベーションが上がってくるのをゆっくり待ちたいと思います。

最後に、ここまでおつきあい下さった全ての皆様に最大限の感謝を申し上げ、締めの言葉としたいと思います。

御視聴、御一読、本当に本当に、ありがとうございました。
よろしければ、また次回作にてお会い致しましょう。
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by sasop | 2011-05-17 20:58 | ときどき雑記
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