さそり庵



whenever

 通りに出ると、桜の雨が舞っていた。

 吹雪と言うには、雫の量がまだ少ないか。けれど、青空にかかる春のアーチは、そろそろ散り支度を始めているらしい。

「なんだよー……」

 見上げ、真は呟いた。何やら不服げに。寂しげに。

「もう行っちゃうの? 今年もせっかく会えたのに……」

 つい四日前、満開の報をみんなで喜んだばかりなのに。ボクはもっと、君たちのこと見ていたいのに。

「どこにも行きゃしないよ」
「――?」

 傍らの青年に、真は振り向く。

「花は散るさ。でも、桜はここに在る。いつでも。形は変わっても」

 青年は、微かに笑ったようだった。

「だろ?」
「……そう、ですね」

 笑顔を返し、真は何となく、青年の隣に寄り添った。
 並んで歩く二人の背中を、桜並木はいつものように見守っていた。





そんな遣り取り。山無し落ち無し意味少し。
「傍ら」と「隣」って違うと思うの。
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by sasop | 2009-04-06 19:54 | 書いてみたシリーズ
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からっぽなう
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